水のコラム
タンクレストイレはつまりやすい?理由や対処法を解説

タンクレストイレは、省スペースでデザイン性に優れる一方、「タンク式よりつまりやすいのでは」と不安に感じる方も少なくありません。
ただし、タンクレストイレだから必ずつまりやすいとは限りません。つまりを防ぐには必要となる水圧や洗浄水量、排水管の状態、流す物の量などを考えることが肝心です。
本記事では、タンクレストイレがつまりやすいといわれる理由、メリット・デメリット、つまった時の対処法、つまりを予防する方法について紹介します。
目次
タンクレストイレがつまりやすいといわれる理由
タンクレストイレは、便器のタンクに水をためる一般的なタンク式とは異なる洗浄方式です。そのため、水圧や製品の洗浄方式、使用状況によっては、流れが弱いと感じる場合があります。
一方、現在は低水圧に配慮した機種もあり、タンクレスという構造だけでつまりやすさが決まるわけではありません。まずは、つまりにつながる要因を確認してみてください。
水道管の水圧に影響されやすい
水道直圧式のタンクレストイレは、水道管から供給される水圧を利用して便器を洗浄するため、必要な水圧を満たしていないと本来の洗浄性能を発揮できない場合があります。
特に高層階や高台などは、設置前に水圧を確認しましょう。また、内蔵タンクや加圧ポンプを組み合わせ、低水圧に対応する製品もあります。
必要水圧はメーカーや機種によって異なるため、購入前に仕様を確認し、現在の給水環境へ設置できる製品を選ぶことが肝心です。
一度に流す水の量が少ない
近年のタンクレストイレには、少ない水量で洗浄できる節水型の製品があります。通常の使用量を想定して設計されていますが、トイレットペーパーや排泄物を一度に大量に流すと、便器や排水管内で流し切れず、つまりの原因になりかねません。
また、排水管が長い、曲がりが多い、勾配が緩いなどの条件では、洗浄水量が少ないことで汚物が排水管内に残る可能性があります。製品に増量設定がある場合は、取扱説明書に沿って使用してください。
電気系統のトラブルで水が流れなくなることがある
タンクレストイレは、洗浄弁やポンプなどの制御に電気を使用する製品が多く、停電や電気系統の不具合が起きると通常のボタン操作で水を流せない場合があります。この状態は排水管のつまりとは異なりますが、便器の水が流れないのと似た症状になります。多くの製品には停電時の手動洗浄方法が用意されていますが、操作方法は機種ごとに異なるものです。
さらに、手動レバーや乾電池を使用するタイプもあるため、事前に取扱説明書で操作方法を確認しておきましょう。停電時の操作を知らずに何度もリモコンを押しても、便器洗浄が行われない場合があります。
トイレットペーパーを一度に多く流している
トイレットペーパーは水にほぐれやすい素材ですが、一度に大量に流すと便器の排水口や排水管の途中でまとまり、つまりの原因になることがあります。節水型のタンクレストイレは、特に使用量と洗浄方法に注意が必要です。
トイレットペーパーを多く使用した場合は、一度にまとめて流さず、便器の状態を確認しながら複数回に分けて流しましょう。
また、「流せる」と表示されたおしり拭きや掃除用シートも、一度に多量を流すと排水の負担になります。製品に記載してある表示を確認し、トイレットペーパー以外の物は必要以上に便器へ流さないようにしてください。
タンクレストイレのメリット・デメリット
タンクレストイレは、省スペースで見た目がすっきりする一方、設置条件や電源への依存など、購入前に確認しておきたい点もあります。つまり対策だけでなく、日々の使用方法や住宅の設備条件も踏まえて検討してみてください。
ここでは、タンクレストイレの代表的なメリットとデメリットを紹介します。
タンクレストイレのメリット
大きな貯水タンクがないため、便器の奥行きを抑えやすく、トイレ空間を広く見せやすい点がメリットです。タンクと便器の隙間が少ない製品は、床や便器周りの掃除もしやすくなります。
また、水道から給水して洗浄するタイプでは、タンクに水がたまるまで待つ必要がなく、連続して洗浄しやすい点も特徴です。節水機能や自動洗浄などを備えた製品もあるため、必要な機能を比較して選ぶことができます。
タンクがない分、便器後方の凹凸が少ない製品もあり、限られたトイレ空間を有効に使用しやすい点も特徴です。室内をすっきり見せたい場合や、掃除の際に手を入れやすい形状を重視する場合にも検討できます。
タンクレストイレのデメリット
タンクレストイレは、機種によって一定の水圧や電源を必要とします。しかし、住宅の給水条件によっては設置できない場合があり、停電時には通常の洗浄操作が使用できない製品もあります。
さらに、便器とウォシュレットが一体化した製品では、一部の機能に不具合が生じた時に修理範囲が広がるケースも考えられます。手洗い器が付いていない製品も多いため、独立した手洗い場が必要になるかも確認しておきましょう。
また、本体価格だけでなく、修理や交換時の費用も確認しておくと比較しやすくなります。
関連記事:タンクレストイレはやめたほうがいい?メリット・デメリットとつまり対策を徹底解説
タンクレストイレを購入して後悔しないためのポイント
タンクレストイレを選ぶ際は、デザインや価格だけでなく、住宅の水圧、停電時の使用方法、手洗い場の有無なども確認する必要があります。設置してから使用しにくさに気づかないよう、生活環境に合うかを事前に確かめましょう。
ここでは、タンクレストイレを購入する前に確認したいポイントを解説します。
水圧ブースター付きの製品を検討する
水圧が低い住宅では、加圧機能や内蔵タンクなどを利用して洗浄を補助する製品を検討してみてください。低水圧に対応する仕組みがある製品であれば、給水条件による設置の制約を抑えられる場合があります。
ただし、「ブースター付き」であればどの住宅にも設置できるわけではありません。メーカーが定める最低必要水圧や給水管径などの条件を確認し、不明な場合は施工店やメーカーへ相談しましょう。
停電時にも使用できる製品を選ぶ
停電が起きると、リモコンや電動の洗浄機構が通常通り動かなくなる場合があります。
購入時は停電時に手動で排水できるか、乾電池を使用した洗浄に対応しているかなどを確認してみてください。なお、手動レバーの位置や操作手順は、メーカーだけでなく機種や製造時期でも異なります。
手洗い場の設置が必要か確認する
一般的なタンク式トイレは、タンク上部に手洗い器が付いた製品がありますが、タンクレストイレには同様の手洗い器がありません。そのため、トイレ室内に手洗い設備がない住宅では、別途設置を検討する必要があります。
独立した手洗い器を新設する場合は、設置スペースだけでなく給水管や排水管の工事が必要になることもあります。リフォーム全体の費用や動線を考え、便器と合わせて計画しましょう。
メーカーやサポート体制を確認する
タンクレストイレは、便器洗浄だけでなく温水洗浄や自動開閉など複数の機能を備えた製品があります。長く使用する設備だからこそ、故障時の相談窓口や補修部品、修理受付などのサポート体制も確認しましょう。
また、同じメーカーでも製品によって機能や施工条件が異なります。購入前に公式ホームページやカタログで仕様を確認し、必要な機能と維持管理のしやすさを比較してみてください。
あわせて、補修部品の保有期間や延長保証の有無なども、長期間使用するうえで確認したい項目です。施工を依頼する場合は、購入する製品の設置実績や、故障時の相談先についても聞いておきましょう。
タンクレストイレがつまった時の対処法
タンクレストイレがつまった場合は、まず水位を確認し、便器から水が溢れそうな時は追加で流さないように注意しましょう。
トイレットペーパーや排泄物による軽いつまりであれば、自身で対処できる場合があります。ただし、異物を落とした場合や原因が分からない場合は作業を控えてください。
手動で水を流す
停電などで通常の洗浄操作が反応しない場合は、排水管のつまりではなく電源が原因の可能性があります。その際は、つぎの手順に沿って手動で水を流してみてください。
- 手順①便器内の水位が高くないことを確認する
- 手順②トイレの品番を確認して取扱説明書を用意する
- 手順③説明書に沿って電源プラグを抜くなど安全を確保する
- 手順④指定された手動レバーや停電用機能を操作する
- 手順⑤排水後は指定された方法で便器内の水位を戻す
なお、便器内の水位が高い、排水がほとんど進まないといった症状がある場合は手動洗浄を繰り返さず、つまりの対処を優先しましょう。
ラバーカップを使用する
トイレットペーパーや排泄物による軽いつまりには、ラバーカップを使用して対処しましょう。具体的な使用手順は、つぎの通りです。
- 手順①電源プラグを抜き、必要に応じて止水栓を閉める
- 手順②便器周りをビニールシートや新聞紙で保護する
- 手順③便器の形状に合うラバーカップを排水口へ密着させる
- 手順④ゆっくり押し込み、勢いを付けて引く動作を繰り返す
- 手順⑤水位が下がったら少量の水で流れを確認する
固形物を落とした時に、ラバーカップを使用すると異物が排水管の奥へ押し込まれる可能性があるため使用しないでください。
また、ラバーカップは、便器の排水口に合う形状を選ぶこともポイントです。密着できないサイズや形状では十分に圧力をかけにくいため、便器用として販売されている製品の仕様を確認しましょう。
重曹とクエン酸を使用する
重曹とクエン酸は水をかけると泡が立ち、汚れを浮かせて軽いつまりを解消できる方法もあります。重曹とクエン酸の使用手順については、つぎの通りです。
- 手順①便器内の水位が高い場合は汲んで量を減らす
- 手順②重曹を便器の排水口周辺へ入れる
- 手順③重曹の半分程度を目安にクエン酸を加える
- 手順④少量の水をかけて発泡させる
- 手順⑤しばらく置き、水を流して状態を確認する
塩素系洗剤が便器内に残っている状態で、クエン酸を加えると有毒なガスを発生させるおそれがあります。そのため、残っている洗剤は十分に洗い流してからこの方法を実施しましょう。
水に溶けない異物を流した場合は無理に対処しない
スマートフォンや子どものおもちゃ、紙おむつ、生理用品など、水に溶けない異物を流した場合は、無理に押し流そうとしないでください。異物が排水管の奥へ移動すると、作業が困難になる可能性があります。
水に溶けない異物を流した場合は、つぎの手順に沿って対処しましょう。
- 手順①トイレの使用を中止して追加で水を流さない
- 手順②見える位置に異物があるか確認する
- 手順③無理なく手が届く場合だけ手袋を着用して除去する
- 手順④届かない場合は道具で奥へ押し込まない
- 手順⑤水道修理業者へ異物の種類や状況を伝えて相談する
便器の排水口から異物が見えていても、道具を強く押し込んだりするのは避けましょう。
タンクレストイレをつまりにくく使う方法
タンクレストイレのつまりを防ぐには、流す物と量を意識し、排水の状態を日頃から確認することが肝心です。節水型であっても、メーカーが想定していない量や水に溶けない物を流せば、つまりにつながりかねません。
流れが以前より遅い、水位の戻り方が普段と違うといった変化にも注意し、早めに原因を確認しましょう。
トイレットペーパーを一度に多く流さない
トイレットペーパーを大量に使用すると、水にほぐれる前にかたまりとなって排水口へ入り、便器や排水管でつまる可能性があります。特に厚手の製品や使用量が多い場合は、一度にまとめて流さないようにしましょう。
また、ティッシュペーパーやおしり拭きなど、トイレットペーパー以外の紙製品には水にほぐれにくいものがあります。「トイレに流せる」と表示された製品でも、流す前にパッケージに記載された使用方法や量を確認してください。
必要に応じて複数回に分けて流す
排泄物やトイレットペーパーの量が多い場合は一度で流さず、必要に応じて複数回に分けて洗浄してみてください。一度に流す量を抑えることで、便器や排水管へ過度な負担がかかるのを防ぎやすくなります。
ただし、すでに水位が高くなっている時に繰り返し洗浄するのは避けましょう。水位が下がらなければつまりが起きている可能性があるため、水を追加で流さず原因を確認してください。
また、家族で使用する場合は、トイレットペーパーを大量に使用した時の流し方も共有しておくと予防につながります。
排水管を定期的に掃除する
便器や排水口に汚れが付着している場合は、取扱説明書に記載された方法で定期的に掃除してください。便器に使用できる洗剤や掃除道具は製品によって異なるため、使用前にメーカーの注意事項を確認する必要があります。
排水の流れが徐々に悪くなっている場合は、便器から見えない排水管内に汚れや異物がある可能性もあります。自身で分解したり高圧洗浄機を使用したりせず、頑固なつまりが疑われる時は水道修理業者に高圧洗浄などの作業を相談しましょう。
関連記事:タンクレストイレの修理はどうすればいい?水が止まらないときの対処法
タンクレストイレのつまりが解消しない場合は業者に相談する
ラバーカップなど自身でできる対処法を試してもつまりが解消しない場合や、原因が分からない場合は、水道修理業者へ相談しましょう。便器の奥や排水管内で異物が引っ掛かっている状態で、作業を続けると症状を悪化させることがあります。
特に、水を流すたびに便器の水位が上がる、異音がする、ほかの排水設備にも流れの悪さがある場合は、排水管側に問題が生じている可能性があります。トイレだけの問題と決めつけず、使用を控えて状態を確認してください。
また、タンクレストイレには電気部品や独自の洗浄機構を備えた製品があります。便器の分解や電気部分への作業は自身で行わず、メーカーや水道修理業者へ相談しましょう。異物を流した場合は、何を流したかも伝えると状況を確認しやすくなります。
水道修理業者へ連絡する際は、便器のメーカーや品番、現在の水位、最後に正常に流れた時の状況も伝えましょう。
タンクレストイレのトラブルにお困りならしまね水道職人へ
タンクレストイレのつまりは、トイレットペーパーの量だけでなく、水圧や排水管の状態、異物の混入などさまざまな原因で起こります。ラバーカップを試しても改善しない場合や、便器の水位が下がらない場合は、無理に水を流し続けないでください。
しまね水道職人では、トイレのつまりや水漏れなど、水回りのトラブルに関するお問い合わせを365日24時間受け付けています。島根県内の対応エリアでトイレの状態を確認し、必要な作業内容をご説明したうえでお見積もりをご提示します。
タンクレストイレの構造や不具合の原因を自身で判断するのが難しい場合も、お気軽にご相談ください。つまりの原因を確認し、状況に応じた修理方法をご案内します。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。
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