水のコラム
タンクレストイレの修理はどうすればいい?水が止まらないときの対処法
近年、おしゃれな外見から人気を集めているタンクレストイレですが、従来のトイレとは違うところも多いです。
そこで、タンクレストイレの構造と故障原因・寿命などをまとめました。
タンクレストイレとは
タンクレストイレとは、文字通り水を溜めておくタンクを持たないトイレです。
洗浄のための水を毎回水道から供給することで中をきれいにします。
凹凸の少ない外見の製品が多く、スタイリッシュかつ掃除がしやすいです。
タンクがない分トイレの中のスペースも広く取れるようになっています。
このような特徴から、商業施設などを中心に取り入れられています。
通常のトイレとの違い
通常のトイレとの違いは、見た目だけではありません。
便器の中の洗浄方法も大きく違います。
通常のトイレは、タンクの中に水を溜めておき、それを落下させる力と水流で便器の中を洗浄しています。
一方、タンクレストイレは、水道から直接給水するときの水圧のみで洗浄する仕組みです。
タンクレストイレの中にはタンクが内蔵されているタイプもありますが、水を流す仕組みは変わりません。
また、従来のトイレだと水が溜まるまで便器の中を洗浄できませんが、タンクレストイレは時間を置かずに連続できれいにできます。
タンクレストイレの故障原因
タンクレストイレの特徴を押さえたところで、起こりがちな故障やその原因を学んでいきましょう。
よく起こる故障とその原因を解説します。
フラッシュバルブの故障
タンクレストイレは水道に直接つけられた弁の開閉で洗浄します。
この弁が、フラッシュバルブです。
フラッシュバルブのパーツに異常が発生すると、水が止まらなくなるなどのトラブルが起こります。
フラッシュバルブは水圧を調節するピストンや、水道からのごみを取り除くストレーナーなどの、複数のパーツにより構成されています。
このうちひとつでも異常があると、何らかの不具合を起こしてしまうのです。
電気機器の故障
フラッシュバルブと同じくらいよくあるのが、リモコンやウォシュレットの故障です。
よくある故障としては、以下のようなものが該当します。
・リモコンなどを操作しても動かない
・自動でふたが開かない
・トイレの水が止まらない
リモコンの電池切れや一時的な動作不良なら、電池交換やコンセントの差し直しで修理できます。
しかし、内蔵されている電子機器の故障が原因だった場合、パーツや便器自体を交換しない限り、修理できません。
水漏れ
タンクレストイレは、水漏れが起こりやすいタイプのトイレでもあります。
トイレを構成するパーツには、すき間を埋めるためのゴムパーツであるパッキンが使われています。
タンクレストイレも、例外ではありません。
このパッキンが劣化すると、パーツの間にすき間ができてそこから水漏れすることがあるのです。
これもまた、タンクレストイレにありがちな故障です。
修理するには、劣化したパッキンを交換しなくてはなりません。
タンクレストイレの寿命は大体10年前後
タンクレストイレの故障は、大体10年前後からよく発生するようになります。
使用頻度が高ければ、当然その分寿命も短くなります。
故障や不具合がよく発生するようになったら、交換を検討してもよいかもしれません。
交換目安となる故障の症状
具体的な交換目安となる症状として、以下のものが挙げられます。
・水が止まらない・流れない
・リモコンやウォシュレットがよく動かなくなる
・水漏れが頻繁に起こる
・本体にヒビが入った
これらの症状が出たら、部品または本体を新しいものに交換した方がよいでしょう。
反対に、寿命である10年を超えてもこれらの症状が出ないのであれば、無理に修理する必要はないともいえます。
タンクレストイレに限らず、水周りの寿命は全体の平均的な年数です。
丁寧に使えば寿命を超えて使い続けることも十分可能になります。
修理は業者に依頼した方が安全
では、タンクレストイレが故障したとき、どうすればよいのでしょうか。
基本的に、故障したときは専門の業者に任せた方が無難です。
タンクレストイレは、従来のトイレよりも複雑な構造でできており、制御をすべて電気で行っているものもあります。
複雑なパーツや電子部品を家庭で修理するのは、かなり大変です。
専門的な知識や技術が要求されるため、何の知識もない状態で取りかかってもうまくいかないでしょう。
トラブルが発生したときは、トラブルの内容と思い当たる原因を業者に伝え、修理してもらうようにしましょう。
タンクレストイレが故障したときの応急処置方法
故障で水が止まらなくなったタンクレストイレをそのまま放置していると、水道代などがかかり続けることになります。
また、故障箇所から漏電する可能性もあるため、非常に危険です。
故障が発覚したときは、以下の応急処置を行ってから業者を呼びましょう。
用意する道具
応急処置には以下の道具を使います。
状況に応じた道具をご用意ください。
・マイナスドライバー
・バケツ※
・雑巾やタオル※
・除菌スプレー※
基本はマイナスドライバーさえあれば対応できます。
水漏れで床などが塗れている場合は、米印のついた道具も併せて用意してください。
止水栓を閉める
まずは水を止めるために止水栓を閉めます。
止水栓は給水管から供給される水量を調節している栓です。
止水栓を閉めれば、水は止まります。
マイナスドライバーを栓の溝に差し込んで、半時計回しに回してください。
このとき、何回回して閉めたかをメモしておきましょう。
トイレの電源を抜く
止水栓を閉めたら、トイレのコンセントを外しましょう。
タンクレストイレは、ウォシュレットと一体化しているタイプや、制御をすべて電気でおこなっているタイプがあります。
中の電子部分に水がかかったり、パーツ自体が故障したりすると、漏電するかもしれません。
漏電による被害を防ぐためにも、トイレの電源は必ず切りましょう。
コンセントが抜けない場合でも、OFFにできる機能があれば、切っておくようにしてください。
水漏れなどがあれば掃除して換気する
水漏れで床が塗れているなら、掃除しましょう。
雑巾やタオルで水をふき取ってください。
水の量が多いなら、バケツに絞ってふき取り続けましょう。
水漏れのある場所は、通常よりも湿度が高くなっています。
トイレは水周りのため湿気にも強いですが、放置は厳禁です。
放置すると腐食やカビの原因になります。
掃除と並行して換気も行いましょう。
トイレからあふれた水は不衛生です。
拭き掃除の後は除菌スプレーなどをかけて、雑菌や臭いが狭い部屋の中に充満しないように対策しましょう。
まとめ
タンクレストイレは、複雑な仕組みでできており、修理には専門的な知識が必要です。
家庭で修理しようとしても、失敗する可能性があります。
確実に修理するなら、専門の業者に任せた方が確実です。
とはいえ、製品やパーツの寿命を理解し、故障が発生しやすくなる時期を見極められれば、故障が悪化する前に気が付けます。
修理自体はできなくても、故障に関する知識を得ていることは大切です。
あわせて、万が一の時のために応急処置の仕方も覚えておきましょう。
業者を呼ぶ前に、自分でできそうなことがあれば、先にやっておきましょう。