水のコラム
タッチレス水栓はやめるべき?デメリットや費用についても解説
公共施設でも頻繁に使われているタッチレス水栓は、コロナ禍以降、感染対策の観点からも一般家庭にも急速に普及しました。
利便性がたくさんあるタッチレス水栓ですが、実際導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、タッチレス水栓のデメリットについても解説していきます。
タッチレス水栓とは
タッチレス水栓は、名称通り水栓に触らなくても操作できる水栓のことです。ハンドルやレバーパーツの操作をする必要がなくセンサー機器が人間や物に反応して水の出し止めをできるのが最大の特徴です。
タッチレス水栓の電源の仕組みは、大きく以下2つにわかれます。
・電源方式:流し下部分に電源がいらない、電池の交換が必要
・コンセント:電池の交換がいらない、電気工事が必要になるケースがある
カランが伸ばせたりシャワー箇所とのスイッチが可能な種類・浄水器内蔵タイプなど、タッチレス水栓の機能は製造メーカーによってもいろいろあります。
センサーの位置別にみると、水栓の上のところに手をかざす種類をタッチレス水栓、カランの下のところに手や物をかざす種類をハンズフリー水栓というように製造メーカーによっては名称を変えています。
また、センサーが2つ付く製品・水栓側面部に付く製品や、足元の操作で水の出し止めができる製品もあります。ちなみに、タッチレス水栓を注文住宅内に設置するときの料金は約2〜4万円です。
タッチレス水栓のデメリット
タッチレス水栓の口コミで多いのが、以下の3項目です。
・停電の際に対処がいる
・自動で出てしまう、反応が遅い・しない
・温度・水量は手動で調整する必要あり
停電の際に対処がいる
コンセント方式のタッチレス水栓のケースは、停電の際に使うために手動へスイッチする必要があり、「操作法がわからず困った」「スイッチが大変」といった声があるようです。
手動へのスイッチは、水栓に付く手動用レバーでできる製品、キャビネット奥側の水栓の開閉作業が必要な製品など製造メーカー・各商品によって違います。
停電している時・故障している時に冷静でいられるように、あらかじめスイッチの方法を確かめておきましょう。あるいは停電の影響を受けない電池方式を考えるのも一つです。
自動で出てしまう、反応が遅い・しない
タッチレス水栓の後悔点として、「意図しない時に出てしまう」反対に「すぐ水が出ない・遅い」という声もあるようです。
カランの下のところにセンサーが付くハンズフリー水栓のケースは、感度レベルによっては流しの清掃の時や流しに食器を置いただけでもセンサーが過剰反応する故障が起こります。
加えて、感度レベルが低いタッチレス水栓を選ぶと水の出し止めのタイミングに誤差が生じてしまいます。センサーの感知クオリティは製造メーカーによってまちまちです。ショールームなどで実際に触って確認して自分に合う感度の製品を選ぶといいでしょう。
温度・水量は手動で調整する必要あり
タッチレス水栓では、事前に設定されている水量と温度でのみ水を出します。調節するには初期設定を変える・レバーやボタン部分を操作することが必要になり、最終的に手間がかかるといった感想があるようです。
とりわけ水量・温度の変更をする台所では、ボタンやレバー部分が早く調整できる場所にある種類を選ぶと利便性が高いです。ちなみに、水とお湯のセンサー部分がわかれる種類もあります。
タッチレス水栓のメリット
一方、タッチレス水栓のメリットは何になるのでしょうか。以下の3点が主なメリットです。
・水栓のメンテナンスが手軽
・感染対策に便利
・節水対策ができる
以下、各メリットについて解説します。
水栓のメンテナンスが手軽
とりわけ調理中は、食材を仕込む上で汚れた手を洗うことが多いですよね。タッチレス水栓だと水栓自体に触れる場合があまりないので、水栓や水栓周辺に汚れや水アカが付着しづらいというメリットがあります。
水アカやカビ菌の発生を抑制できて清掃の負担を減らせるのも魅力です。
感染対策に便利
タッチレス水栓は、感染対策にも有効です。雑菌やウイルス菌のつく手で水栓のレバー部分やカランに触れてしまうと、どれだけきちんと手を洗ってもレバー部分やカランは汚れた状態ですよね。
タッチレス水栓の場合、手洗い前後も水栓に触れないので、接触感染のリスクを減らせます。
節水対策ができる
タッチレス水栓にかえることで節水対策が可能です。食器を洗っている時や手を洗っている時・洗顔をしているときなど、水を停止するのが手間で出し続けているという方も多いでしょう。
その点タッチレス水栓だと、毎回レバーやカランを止める必要がないので定期的に止水できます。加えて、ハンズフリー式だとさらに節水効果が高まるので、かなりおすすめです。
タッチレス水栓の寿命は?その他よくある疑問
タッチレス水栓の寿命は、電池タイプ・コンセント方式いずれも10年程度です。
10年経過して下記の故障がある場合は交換のタイミングです。
・センサーの感度が落ちた
・センサーが反応しない
・水漏れする
・止水できない
また、電池タイプのケースは1〜2年くらいで電池の交換が必要になります。
タッチレス水栓は後から設置できるか
普通のカランを使っているケースでもタッチレス水栓を後から設置できるのでしょうか。結論としては後から設置できます。
後から設置する場合は「カランオート化ユニット」という洗浄器に似た機械を設置することになります。ただ、簡単な構造なので特別心配することなく手軽に作業できます。
同時に、本来の水栓自体を外してタッチレス水栓に取り替える方法もあります。双方を調べてから、どちらが適切かを考えて工事をするのがいいでしょう。
ハイテクな生活をしたくても学生や新卒の社会人の方など初めて賃貸に住む方は、もともとの水道に変えてはいけないと思っていないでしょうか。しかし、心配はいりません。
実際は賃貸を使用しているケースでも変えることはできます。前述のカランオート化ユニットを設置する方法も、水栓自体との取り替え方法も元の状態に復帰できます。つまり、物件を出る際に現状復帰可能なので全然問題はありません。
タッチレス水栓に切り替える方法と料金の相場
それではタッチレス水栓に切り替える場合どのように取り替えできて、費用はいくらかかるのでしょうか。以下、切り替え方法と料金相場を紹介します。
・タッチレス水栓への切り替え方法
タッチレス水栓はセンサーを動作させる電力が必要になるので、水道周りにスイッチが必要になります。もし、スイッチがない場合はスイッチを増やす工事をしてもらう、もしくは乾電池タイプを導入するかどちらかを選択することになります。
乾電池タイプは電気工事が不要で、すぐに設置可能ですが、電池タイプの製品本体が多くないという現状なので、事前にどうするかを決めておきましょう。当然、こまめに乾電池を取り替える必要があるという点で多少手間もかかります。
・タッチレス水栓への切り替えの料金相場
タッチレス水栓を後から設置する場合は、乾電池タイプの場合、施工料金が1〜2万円になります。一方で設置工事が必要になる種類のケースは施工料金が1〜3万円くらい、電源を増やすための工事が必要になるケースは、プラスで1〜2万円が必要になります。
また、水栓自体にも多機能が搭載されている製品が発売されてきています。よって製品によっては割と安い製品もあれば非常に高い製品もあります。事前に予算を決定し、どんな機能が必要かを決めておくとスムーズでしょう。
まとめ
今回は、タッチレス水栓のメリットやデメリット、費用についても解説してきました。タッチレス水栓はとても便利であり、おしゃれな見た目からも人気が出ています。ただ、家庭に設置する際には、取り扱いに注意が必要です。