水のコラム
トイレットペーパーが溶けるまでにどれくらい時間がかかるのか?
トイレが流れづらくなるというトラブルは、比較的多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
そのまま放置しておけばいずれ流れるだろう、と何もしないでいると、更なるトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
そこで今回は、トイレットペーパーが溶けるまでにどれくらいの時間がかかるのか、また詰まってしまった時の対処法などをご紹介していきます。
目次
トイレットペーパーが溶けるまでの時間は?その原理とは?
トイレットペーパーでも、大量に流すと詰まってしまうことがあります。では、その場合放置していても大丈夫なのでしょうか。
トイレットペーパーが溶けるまでの時間
日本のトイレットペーパーは、JIS規格に基づいて作られているものがほとんどです。JIS規格とは、製品の品質保証やサイズの基準値を定めているものです。
JISマークの付いた商品を見たことがある人もいるかと思いますが、JISマークがあることで製品の安全性や品質を保証することになります。トイレットペーパーの場合水に流すための製品なので、水に溶けやすく詰まりにくい素材であることを証明するマークといえるでしょう。
トイレットペーパーはJIS規格に基づき、水に浸けてから100秒以内に溶ける製品であることが保証されています。トイレに流した際には、2〜3時間以内に流れるものでなくてはいけません。
しかし、大量に流しすぎるといくらトイレットペーパーでも自然に流すのは難しい場合もあります。いくら待っても溶け切らない場合は、別の解消法を考えましょう。
トイレットペーパーが溶ける原理
トイレにはティッシュペーパーを流してはいけない、ということは多くの人がご存知かと思います。ですが、トイレットペーパーとティッシュは同じ紙なのに、なぜトイレットペーパーは水に溶けやすいのでしょうか。
そもそも、トイレットペーパーとティッシュペーパーでは紙の作りが違います。両者とも、紙を水に溶かした糊状のものを薄くして乾かし、繊維を集めるようなやり方で作られています。
しかしティッシュペーパーは、水に溶けにくい性質にしたいため強度を高めることを重視しています。そのため、繊維が強くて長い針葉樹を使用し、さらに強度を高めるための樹脂を使用しています。
その一方でトイレットペーパーは、水に溶けやすい性質にしなくてはなりません。そのため、繊維の結束が弱くて短い広葉樹を使用しています。それにより、水の中でほぐれやすくなっています。
このように、トイレットペーパーは水に溶けているのではなく、水のなかで繊維が細かくほぐれることで流れやすくなっています。
トイレットペーパーの種類によって溶ける時間は変わるのか?
トイレットペーパーは、水に浸して100秒以内に溶けるものであるとお伝えしました。しかし、その性質はあくまでもJISマークの付いている製品のみです。
JISマークは日本製の製品にはついていますが、海外製のトイレットペーパーには付いていません。そのため、海外製のトイレットペーパーは詰まりやすい傾向にあります。
海外製のトイレットペーパーは、そもそも水に流す用途で作られていない場合があります。それは、海外と日本でトイレの作りが違うからです。
海外製のトイレットペーパーは安く手に入れられるため近年多くの人が購入していますが、上記のようなデメリットがあることは理解しておきましょう。
トイレットペーパーが詰まるとどうなる?
トイレットペーパーは水に流しやすいものではありますが、使い方によってはトイレを詰まらせてしまうことがあります。トイレットペーパーが詰まる原因として多いのが、以下の3点です。
1.トイレットペーパーの流しすぎ
2.流す時の水圧が弱い
3.海外製のトイレットペーパーを使用している
トイレットペーパーが詰まると、水を流してもうまく流れずに溢れてきてしまうことがあります。トイレの水が万が一便器の外まで漏れてしまうと、床を介して階下の家まで漏れてしまう可能性があります。
トイレの水は汚水なので、近隣住民の家に漏れてしまうのは重大なトラブルに繋がりかねません。そのため、水漏れは確実に避けたいです。
トイレットペーパーが詰まった時の対処法
トイレットペーパーは水に流しやすい性質なので、ある程度放置しておけば流れる場合もあります。
しかし、あまりにも大量のトイレットペーパーを流していたり海外製のトイレットペーパーを詰まらせてしまった場合は、いくら待っても流れることはありません。
では、放置以外の方法でトイレットペーパー詰まりを解消する方法はどのようなものがあるのでしょうか。
お湯を流す
トイレットペーパーが詰まってしまうのは、流す際に水分が足りないことが原因です。そのため、水分を足してあげれば詰まりを解消しやすくなります。
そして、水分を足す時に重要なのが、ただの水を入れるのではなく50〜60℃のお湯を注ぐことです。日本のトイレットペーパーは、繊維を繋ぐ際にデンプンを使用しています。
デンプンはお湯によって溶けやすくなるため、トイレットペーパーの詰まりを解消するにはお湯が適しているのです。
しかし、注意してほしいのが熱湯を流さないことです。熱い方がいいのではないかと考えて60℃以上のお湯を流すと、急激な温度変化により便器が破損してしまう可能性があります。お湯を流す際には50〜60℃を守って試してみてください。
スッポンを使用する
お湯を流してもうまく流れない場合は、スッポン(ラバーカップ)を使用してみましょう。トイレ詰まりを解消する道具として昔から使用されているスッポンは、現在においてもとても役立つ道具です。
スッポンは、先端にゴムでできた器型の部品が付いており、その部品を排水口にしっかりと押しこんで使用します。押し込むと、離した時に水圧が強くなり詰まりを解消しやすくします。
スッポンは、洋式や和式などトイレの形によって対応している種類が違うので、自宅のトイレに合った種類を購入するようにしましょう。
また、スッポンは十分な水分量がないとしっかり効果を発揮できません。そのため、スッポンを押し込んだ時にスッポンが水面から出てしまう場合は、水分を足してから使用しましょう。
スッポンを離す時に強い力で引くことになりますが、その際に周りに汚水が飛び散る可能性があります。作業を行う際には、便器の周りに新聞紙を敷いたりゴム手袋をするなど、汚水が飛び散ってもいいように対策してください。
トイレットペーパーの詰まりは他の物に比べて解消しやすいです。そのため、スッポンを使って一度で解消できなかったとしても、何度か試してみてください。根気よく行うことで解消できる可能性が高いです。
まとめ
今回は、トイレットペーパーが溶けるまでにどれくらいの時間がかかるのか、また詰まった時の対処法をご紹介していきました。
掃除でたくさんのトイレットペーパーを使用したり、子供が遊んで大量に流してしまうとトイレットペーパーでも詰まってしまうことがあります。また、節水と考えて水圧が弱い状態で流しても詰まりを発生させてしまうことがあります。
トイレットペーパーは水に流しやすいから大丈夫であると思って大量に流してしまうと、あらゆるトラブルを生みかねません。何事も適正量というものはあるので、一度にトイレットペーパーを流しすぎないようにしましょう。
また、万が一詰まってしまった場合は無理に水で流そうとしないでください。逆に水が溢れかえってしまう可能性があります。自然に流れるまで様子をみて、それでも難しいようであれば、紹介した対処法を試してみてください。