水のコラム
キッチン水栓の交換は自分でできる?費用や交換するべきタイミングの基準は?
キッチン水栓に不具合が起きたとき、交換は自分でできるのか?
そんな疑問にお答えします。
今回はキッチン水栓の主な種類、キッチン水栓を交換する基準や交換の手順、交換に必要な費用の相場などを解説します。
修理で直るのか、交換が必要なタイミングなのかを見極めていきましょう。
キッチンの水栓の種類と特徴
キッチン水栓の種類は主に4つです。ここでは、各キッチン水栓の特徴を解説していきます。
■単水栓
単水栓とは、1つの蛇口からお湯か水のどちらか一方が吐水・止水するタイプの水栓です。
ハンドルをひねるとお湯か水が出るといったシンプルな構造で、住宅の屋外や学校などで採用されています。
蛇口での温度調節ができないので不便な感じはしますが、複雑な機能が付いていない分、交換費用は安くなります。
■シングル混合水栓
シングル混合水栓とは、1つのレバーハンドルでお湯と水を切り替えたり、温度調節をしたりできる水栓です。
シングル混合水栓は、一般的な家庭で最も採用されているキッチン水栓です。
また、近年のシングル混合水栓は、お湯と水を切り替える時に「カチッ」という音が鳴り、より使いやすく進化しているのが特徴です。
水栓器具にカートリッジが内蔵されているタイプもあり、浄水機能を別途取り付けなくても美味しい水が飲めます。
一方でシングル混合水栓は、水栓器具が伸びないタイプとホースが伸びるタイプの2種類です。
加えて、吐水切り替えができるタイプとできないタイプがあるので、用途に合わせて選びましょう。
■ツーハンドル混合水栓
ツーハンドル混合水栓とは、蛇口が2つ備えられており、1つの蛇口からはお湯、もう1つの蛇口からは水が出る仕組みの水栓です。
単水栓を2つ組み合わせたような構造で、シングル混合水栓が登場する前の主流でした。
現在では、浴室の浴槽にお湯を溜める用途で使われることが多く、キッチン水栓ではあまり見かけなくなっています。
とはいえ、丈夫で値段が安いとの理由から賃貸住宅では採用されることがあります。ただし、温度調節が難しいため、水道光熱費がかかりやすい点がデメリットになります。
■タッチレス水栓
タッチレス水栓とは、水栓器具にセンサーが付いており、手をかざすだけで吐水・止水ができる水栓で、最近では新築で採用されることが増えています。
タッチレス水栓は、蛇口に触れなくとも吐水・止水ができるので、水栓が汚れる心配がありません。オシャレな見た目もさることながら、衛生面から考えても魅力があります。
しかし、故障した時の修理代が高額になってしまう傾向があります。キッチン水栓を選ぶ際は、デザイン性や機能性だけなく、メンテナンス性も意識しましょう。
キッチンの水栓を交換する基準
キッチン水栓の交換時期は、約10年といわれています。
ただ実際には、設置から10年で故障した場合でも、パッキンなどの部品交換だけになるケースが多いです。
しかし、設置から10年以上経っている水栓器具は、他の部分の劣化も進んでいる可能性があります。
もちろんキッチン水栓の不具合は、使い方や年数、水栓の種類・取り付け位置などでも異なりますが、以下の症状が起きたら注意しましょう。
■蛇口のグラつき
グラつきは、レバーハンドルに付いているネジが緩むことによって、起きる不具合です。
ほとんどの場合、マイナスドライバー・プラスドライバーなどの工具で緩んでしまったネジを閉めれば、問題はありません。
ただし、蛇口のグラつきはネジ以外にもパッキンの交換もあり得るので、判断が難しい場合もあります。
■レバーハンドルが固くなってきた
「レバーハンドルが固い」「蛇口のレバーが操作しづらい」などの場合は、見えない部分のサビが原因となっている可能性が高いです。
とくに水まわりを掃除していないと、水道水に含まれるミネラルが結晶化して、水栓まわりに付着します。
その結晶がレバーハンドルの裏側にも付着して、動作しづらくなっている可能性があります。
■蛇口の根元から水漏れ
経年劣化により、蛇口の根元から水漏れが起きることもしばしばあります。
これは水栓の部品に長年水圧がかかって、徐々に部品が劣化することで水漏れにつながるのが原因です。
たとえば、シングルレバー混合水栓であれば、バルブカートリッジの劣化が考えられます。
ハンドル混合水栓であれば、パッキンの劣化で水漏れが起こるケースもあります。
■シンク下からの水漏れ
キッチン水栓の水漏れは、目に見える箇所だけでなく、シンク下でも起こる場合があります。
原因はさまざま考えられますが、代表的な例は次の3つです。
●排水口のパッキンの劣化
●排水口と排水管の接続部分の緩み
●排水管や排水ホースに穴や亀裂がある
これが、シンク下からの主な水漏れの原因です。
設置から10年以上の水栓は、部品が廃番になっている可能性もあります。もし部品が廃番となれば、キッチン水栓の全交換を検討するタイミングです。
キッチンの水栓を交換する順序
キッチン水栓の交換は、種類によって手順が異なります。
ここでは、シングル混合水栓ワンホールタイプの交換手順をお伝えします。
キッチン水栓の交換で事前に用意するものは以下のとおりです。
●取り付け工具:新しい蛇口を購入した際に入ってくる
●ナット締付工具:手が届かないところを閉めるのに便利
●プラスドライバー:止水栓の組立に使用
●マイナスドライバー:止水栓を閉めるのに使用
●六角レンチ:蛇口を取り付けるのに使用
●モンキーレンチ:点検口のフタを外す時に使用
●タオル:周囲が汚れないように使用
工具は、ホームセンターで簡単に入手できるものばかりです。事前に、シンク下の日用品を取り出しておくことも忘れずに行いましょう。
では、次にキッチン水栓交換の手順をお伝えします。
■①止水栓を止める
シンク下にあるお湯と水の止水栓を時計回りに閉めます。
水栓の種類によって、止水栓は蛇口を回すタイプではなく、マイナスドライバーを使用するタイプもあるので注意しましょう。
■②給湯管と給水管を外す
点検口の中に給湯管と給水管があり、ナットで接続されているのでモンキーレンチを使用してナットをゆるめます。(点検口はマイナスドライバーで外せます。※点検口がないタイプも有り)
給湯管と給水管を外すと管に溜まっていた湯・水が出てくるので、受け皿の役割となるバケツなどを準備しておくと便利です。
■③蛇口レバーを外す
蛇口レバーはネジで固定するタイプと、差し込むだけのタイプの2種類があります。
まずは、給湯管と給水管を外した上部分の部品を反時計回りに動かすことで、蛇口レバーが外せます。
■④水栓を分解する
シングルレバー混合水栓の場合、蛇口カートリッジが付いているので、蛇口本体の上部に付いているリング状のカバーを反時計回りで外します。
次に、蛇口の根元にあるビスと、アダプターが残っていればアダプターも外します。
■⑤部品を清掃する
水栓を分解できたら、本体に付いている水垢やサビなどの汚れをタオルで拭き取ります。
新しい水栓の取り付けがスムーズにいかないので、必ず清掃してから交換しましょう。
■⑥新しい蛇口を取り付ける
まずは、新しいアダプターの前後を間違えないように固定します。
あとは説明書を見ながら、キッチン水栓を外した手順で取り付けていく流れです。
■⑦止水栓を戻して正常に作動するかを確認する
正常にお湯や水が出るか、最低1分間は蛇口をひねったままにしましょう。
問題なく水が流れて水漏れしていないかをチェックしたら、作業は完了です。
キッチン水栓交換は、種類や年数によっては取り外しが難しく、挫折してしまう方もいます。
逆に、既存のキッチン水栓を外すことができれば、新しい蛇口の取り付けは比較的容易に行えるでしょう。
キッチンの水栓の交換に必要な費用の相場
水栓交換にかかる必要な費用は、シングルレバー混合水栓の標準タイプで28,000〜40,000円程度が相場です。
内訳は、本体が20,000〜25,000円、取り付け工賃が8,000〜15,000円となります。
相場に差があるのは、以下の費用が業者によって異なり、必要な費用が変わるからです。
●出張費
●工事保証費用
●深夜料金
●廃棄物処分費
上記は、キッチン水栓本体費用と取り付け工賃以外にかかる費用です。
また工事によっては、電源移設や増設、点検口取り付け、浄水器設置などがあれば、追加工事として費用がかかります。
まとめ
キッチン水栓の種類はさまざまありますが、住宅のキッチンで近年最も主流なのはシングル混合水栓です。
一方で、除菌に意識が向くようになってからは、タッチレス水栓も採用されるようになりました。
キッチン水栓の交換は、シンプルな構造の型式であれば自分で交換するのもありですが、電源移設や設置から年数が経っていて劣化が進んだものは、プロの業者に依頼するのが安心です。
もしも、自分で交換しようとキッチン水栓の交換作業を進めたとき、少しでも「無理かもしれない」と思ったら、速やかに業者に問い合わせしましょう。
業者に依頼すれば、自分では気づかないシンク周りの劣化や配管の腐敗など、将来起こりうるトラブルを未然に防げるはずです。