水のコラム
お風呂の排水口トラップがない?排水口トラップにはどんな役割がある?
お風呂の排水口には、排水トラップと呼ばれる部品が設置されています。
お風呂の掃除をしていても、どの部分が排水トラップなのか分からない方も多いことでしょう。しかし、この排水トラップはとても重要な役割をしているのです。
そこでこの記事では、お風呂の排水トラップについて詳しく解説しましょう。
お風呂の排水口トラップの役割
家の排水口は、全て下水管につながっています。下水管から逆流してくる臭いや虫などの侵入を防ぐのが、排水トラップです。
実はお風呂だけでなく、家庭内の排水口には全て、SトラップやPトラップと呼ばれる、臭いや虫の侵入を防ぐ部品が使われているのです。その中で、お風呂に使われているのが「排水トラップ」であり、種類は3種類存在しています。
■ワントラップ
お椀を被せたような形をしているので、「ワントラップ」と呼ばれています。
排水口に、お椀を被せたような状態で使用します。排水口の周りにはくぼみがあり、そこに排水が溜まります。溜まった排水の上から、ワントラップを被せるのでトラップの周りに水が張られる状態になります。
この張られた水によって、臭いや虫の侵入を防ぐ仕組みになっています。ただ、長期的に使用していないと、周りの水が蒸発して臭いが漏れてきてしまいます。
■ドラムトラップ
排水を溜める部分がドラムのようになっているので、「ドラムトラップ」と呼ばれています。
ユニットバスでは、必ず使われているトラップです。排水を溜める量が多いので簡単に蒸発することはありません。
目皿(排水口のカバー)が長方形なら、ドラムトラップが使用されていると考えてよいでしょう。デメリットは、掃除がしにくい点です。
■管トラップ
比較的古い排水口に使われるのが「管トラップ」です。シンクの中にあるSトラップと同じ原理で、排水管の途中をS字やU字に曲げて排水を溜めるようにしています。
このトラップも、長期に使用しないと排水が蒸発して臭いが漏れてしまうデメリットがあります。
排水口から異臭や詰まりなどの異常が生じる原因
排水トラップがあるにも関わらず、お風呂の排水口から異臭がしたり、排水が詰まったりするケースがあります。
その原因には、お風呂特有の問題が関わっています。なぜ排水口から異臭がしたり、排水が詰まったりするのか詳しく解説しましょう。
■お風呂特有の問題とは、身体の汚れ
お風呂は身体をキレイに洗って、清潔に保つために利用します。もちろん、バスタブに浸かってリラックスする癒しの効果もありますね。
身体を洗ったときには、髪の毛・体毛・垢・皮脂・石鹸カスなど、さまざまな汚れが洗い流され、その全てが排水口に流れ込んでいきます。排水口には、ヘアキャッチャーが設置されていて、ここで髪の毛など大きな汚れをキャッチします。
しかしここで引っかからなかった細かな汚れが、直接排水口に流れていきます。そのときに、必ず通過するのが排水トラップです。
小さな垢や皮脂が、排水トラップに付着することが多いです。長期間排水トラップを掃除していなければ、それなりの量が溜まっています。この排水トラップに溜まった汚れが、異臭を放っている原因となっています。
■ヘアキャッチャーが汚れで詰まっている
排水口で最初に汚れをキャッチしてくれるヘアキャッチャーですが、ここに髪の毛が溜まりその上に垢や皮脂が重なってしまうと、汚れの幕を張ってしまいます。
この汚れの幕は、通常の排水の流れの強さでは破れないほど強力です。そのため、排水がヘアキャッチャーで止まってしまうのです。
そして、排水口が詰まったかのように、流れなくなり溜まってしまいます。ヘアキャッチャーに溜まった汚れをキレイに洗えば、排水の詰まりは解消されます。
■排水管自体が汚れている
ヘアキャッチャーも排水トラップも、手の届く範囲はキレイに掃除したのに異臭が消えない場合は、排水管自体が汚れていて、その汚れから異臭が放たれている可能性が高いです。
最も効果的なのはワイヤーブラシを排水管に通して、キレイに磨くことですが、テクニックが必要なので素人には難しいですね。
できることは、市販のパイプ洗浄剤を購入して掃除をすることでしょう。洗浄剤を使用しても異臭が残る場合は、専門の業者に頼ることをおすすめします。
■「破封」が起きている
排水トラップには普段から水が張ってあり、その水によって臭いを防いでいます。長期的に使用していなければ、排水の蒸発によって臭いが漏れていると判断できます。
しかし毎日利用しているのに、いきなり異臭がするのはどうなのでしょう。その場合は、「破封」が起こったと思われます。「破封」とは排水トラップの水が、サイフォン現象などによって急になくなり、下水道の臭いが漏れてしまうことです。
この「破封」が起きると、知らない間に水がなくなっているので、急に異臭が漂うこととなります。もう一度、水を流せば「破封」は収まります。
排水口のお手入れ方法
異臭をブロックするためにも、排水口のお手入れは欠かせません。ここでは、排水口のお手入れの方法を解説しましょう。特にぬめりは、細菌の温床と化しています。細い隙間なども、しっかり手入れするとよいですよ。
■泡タイプは簡単こすらずスッキリお手入れ
お風呂の排水口のお手入れに使用する洗剤は、たくさん種類があります。その中でも泡タイプは、パーツを外さずにそのままキレイに洗浄してくれるので、簡単でスッキリしますよ。
お手入れする手順は、以下のとおりです。
・ヘアキャッチャーの汚れは取り除きます
・ヘアキャッチャーを元に戻します
・洗浄剤を排水口の周りにふりかけます
・水をかけるとモコモコと泡が発生
・排水口のフタを閉めます
・少し待ちます
・フタを外して裏返して排水口と同時に水で流します
これだけで、こすらなくてもキレイにお手入れすることができます。
■しっかりお手入れは漂白材を使用
泡タイプで掃除しても汚れがキレイに落ちない場合は、漂白剤を使って汚れをしっかり落としましょう。パーツを漂泊している間に、ブラシで排水口全体を掃除します。
手順が以下の通りです。
・大きめの容器を用意します(ゴミ袋でも代用可)
(排水口のフタやヘアキャッチャー、排水トラップが入ればOK)
・漂白剤を溶かした水にパーツを浸します
・漂泊している間にブラシと中性洗剤で排水口全体を丁寧に洗浄します
・頑固な汚れのある場合は液体クレンザーが有効です
・約30分経過したらパーツを取り出して水洗いします
・元通りに戻します
・全体を水洗いして完了です
まとめ
お風呂の排水トラップの役割や、排水口が臭う原因、その対策について解説しました。
本記事内の情報を参考にして頂き、異臭の原因を突き止めて、排水トラップを含む排水口全体のお手入れをしてみてくださいね。