水のコラム
ケース別に異なる洗濯機の排水口からの臭い対処法!臭いの原因も解説
洗濯機の置き場所は大抵の場合脱衣所になりますから、洗濯機の排水口から下水の臭いがすると、お風呂に入ってもキレイになった気になれません。
ましてや、下水の臭いの中で、毎日顔を洗ったり歯を磨いたりするなんてあり得ません。そこで、洗濯機の排水口からの臭いを防ぐ対処法や、臭いが発生する原因について、詳しく解説します。
目次
なぜ洗濯機の排水口からいやな臭いが?原因を解説
どうして洗濯機の排水口から、下水のような嫌な臭いが発生するのでしょう?臭いの発生原因のほとんどは、排水口に設置してある排水トラップ部分にあります。
排水トラップとは、内部に水が溜る場所があり、溜った水が下水からの臭いをブロックしています。また、下水からの臭いだけでなく害虫の侵入もブロックしてくれる、頼もしい機能です。
ここでは、頼もしい排水トラップの機能が失われる原因を解説しましょう。
■原因1:排水トラップの水がなくなる
排水トラップでは、水が大きな役割をしています。排水トラップ内に一定の水が溜まることで、下水からの臭いや害虫をブロックしています。
洗濯機の排水口に限らず家中の排水口は排水管を通じて、下水につながっていま。したがって、この水がなくなると臭いが排水口から放出されます。
家中の排水口には必ず排水トラップが設置されていて、下水の臭いをブロックしているのです。
■原因2:風呂の残り湯で洗濯している
洗濯時に風呂の残り湯を利用している方も多いのではないでしょうか。はじめから風呂ホースが搭載されている洗濯機の販売もされていますし、後付けでの風呂ホースもさまざまな種類が販売されています。
しかし、すすぎまで風呂の残り湯を使ってしまうと臭いの原因となってしまいます。水道水と風呂の残り湯を比較すると、風呂の残り湯のほうが雑菌の繁殖が多く見られます。
また、皮脂や髪の毛、体毛などの微量なゴミが混じっているのも確かです。洗剤を使う「洗い」の工程で風呂の残り湯を使うには問題ないとして、最後のすすぎまで風呂の残り湯を使うと、排水トラップに溜る水は風呂の残り湯となります。
となると、溜った水の中で雑菌が繁殖し、ヌメリを発生させて悪臭を放つ原因を作ってしまうのです。
■原因3:排水トラップの詰まり
残り湯の微量なゴミと、衣類に付着した汚れや洗剤カスなどは、排水ホースを通って排水口に流れ込んでいきます。
その際に排水トラップの凹部に引っかかったり入り込んだりして、排水トラップに付着します。付着した少量のゴミは腐って、ヌメリとなるのでさらにゴミが付着しやすい状況を作り出します。
やがて、ゴミが溜まり、腐敗してヌメリの固まりを大きくしていき、悪臭を放つこととなるのです。ヌメリは雑菌が繁殖したものですから、ヌメリが大きいほど臭いも強くなります。
■原因4:排水トラップの取り付け部がズレる
排水トラップはしっかり排水口と排水管に固定されています。しかし、プラスチック製品なので経年劣化によって、排水管と排水トラップがズレてしまうことがあります。
排水管と排水トラップに隙間ができてしまい、そこから下水の臭いが逆流してきます。臭いは空気によって運ばれるので、目に見えないほんの少しの隙間でもあれば、確実に漏れてきます。
洗濯機の排水口のいやな臭いのタイプ別の対処法
ここまで洗濯機の排水口から嫌な臭いがする原因を解説してきましたが、ここでは、臭いの対処法を先の原因のタイプごとに解説しましょう。
■タイプ1:排水トラップの水がない
何らかの理由で長い間洗濯機を使わなかった場合、排水トラップの水がなくなることがあります。
手入れが行き届いていない部屋を借りたときに、下水の臭いが部屋中に充満しているのは排水トラップの水がなくなっているためです。
洗濯機の排水トラップは、洗濯機を使用していれば、自動的に一定量の水が溜るようになっています。なので、洗濯機を使わなければ、排水トラップの水は蒸発してなくなります。
この場合は、排水口に水を流せば解決するのでカンタンです。流す水の量は1リットルほどが適量でしょう。
ペットボトルに水を入れて排水口に流せばOKですが、水の量が少ないと効果が薄くなるのでなるべく多めの水を流すことがコツです。
部屋を借りた際に臭う時は、洗濯機の排水口だけでなくキッチンやトイレ、洗面所など部屋中の排水口に水を流しましょう。
■タイプ2:風呂の残り湯
すすぎは水道水で行なうようにすれば対処できます。
現在の悪臭の元を断つ必要があるので、排水口と排水トラップを掃除する必要があります。洗濯機の排水ホースを外して、排水口と排水トラップをキレイにしましょう。
■タイプ3:排水トラップの詰まり
排水トラップの詰まりは汚れが原因ですから、必ず排水口と排水トラップを掃除する必要があります。また、排水管にもヌメリの雑菌が繁殖していることが考えられるので、排水管をパイプクリーナーなどで洗浄しておきましょう。一般的な排水トラップの掃除方法は、次のとおりです。
1:洗濯機の専用蛇口を閉める
2:洗濯機の排水ホースを排水口から外す
3:排水ホースをつなぐエルボと排水口のフタを外す
4:排水トラップやパーツをすべて取り出す
5:排水管にパイプクリーナーを投入
6:排水トラップやパーツをキレイに洗う
7:排水管に60度以下のお湯を流す
8:洗い終わった排水トラップとパーツを元に戻す
9:排水口のフタを閉めて排水ホースを取り付ける
この手順で、洗濯機の排水トラップをキレイに掃除できます。ただ、洗濯機の排水口が洗濯機本体の真下となる場合では、洗濯機を防水パンから移動させる必要があるので、大変な労力をともなうでしょう。
■タイプ4:排水トラップ取り付け部のズレ
先の排水トラップの詰まりのタイプと同様に、一旦、排水口から排水トラップを取り出してから、排水管につけ直す作業が必要となります。
また、経年劣化によって排水口の部品が破損している場合は、排水口の部品および排水トラップをすべて新しいものに交換した方が無難です。
経年劣化によって破損した場合、破損した部品だけでなく全体が劣化しているので、また同様のトラブルになりかねません。排水口のチェック、部品交換には洗濯機を移動させる必要があるかも知れませんので、その場合には腰など痛めないようにご注意ください。
洗濯機の排水口の嫌な臭いの予防に気を付けるポイント
洗濯機の排水口から漂う、嫌な臭いを防ぐポイントは「定期的に排水口や排水トラップを掃除する」ことが最も有効です。そうすれば、排水管とのズレもすぐに見つけることが出しますし、排水管の中もケアできるので、嫌な臭いは完全にシャットアウトできます。
ただ、洗濯機の排水口は防水パンに設置されていて、タイプによっては洗濯機の下になるケースもあります。作業スペースがまったくなく、排水ホースの接続も洗濯機を持ち上げないと、できないパターンもあるのは事実です。
そのようなパターンでは定期的な排水口のメンテナンスは難しくなります。そこで、次の項目を試してみることをおすすめします。
■排水口を定期的にチェックできない場合
排水口を定期的に点検や掃除できない場合は、次の項目を実践することで嫌な臭いの予防に期待できます。
1:古くなった排水ホースを取り替える
2:洗濯層をこまめに洗浄する
3:洗濯層にあるゴミフィルターを掃除する
4:お風呂の残り湯の使用を控える
これらは、洗濯機そのものに対して行う作業ですが、臭いの予防には効果がありますので、ぜひ試してみてください。
業者へ依頼してキレイにしてもらうのもアリ
洗濯機を移動させないと排水口や排水トラップをチェックしたり、掃除したりできない時はプロの業者に依頼した方がよいでしょう。
洗濯機は非常に重量のある家電です。1人だととても移動させることが難しいですし、身体を痛めると取り返しのつかないことに発展するかも知れません。
ぎっくり腰になって、数週間会社を休むことと、業者に依頼する費用を比較すれば、プロの業者に依頼する方が安全で確実に臭いをシャットダウンさせることができます。
■排水口や排水トラップを掃除しても臭いが消えない場合
また、排水口や排水トラップを掃除しても、排水口からの臭いが消えない場合は、排水管の中に原因があります。そんな場合もプロの業者に依頼して臭いの元を断ってもらいましょう。
まとめ
今回は、洗濯機の排水口からの臭いの原因と対処法を、ケース別に解説してきました。
冒頭にもお伝えしているとおり、洗濯機の排水口は脱衣所にあることが多く、お風呂に入る時や洗面所で顔を洗う時、歯を磨く時に不愉快な状況になってしまいます。
放置しておくことはできませんから、早い対処が求められます。自分での対処が難しい場合や、洗濯機を移動させる必要がある時は、迷わずプロの業者に依頼して対応してもらいましょう。