水のコラム
トイレ修理で高額請求されたら業者名を確認!悪徳業者の手口と騙されない対策

「トイレがつまった」という緊急事態に乗じて、法外な料金を請求する悪質業者による被害が全国で相次いでいます。ネット広告で「数百円~」と格安をうたいながら、実際には数十万円を請求するケースも珍しくありません。
こうした被害を防ぐために重要なのが、依頼前に業者名や会社情報をしっかり確認することです。本記事では、自治体が公表した実際の被害事例や悪徳業者の特徴、騙されないための対策を解説します。
自治体が公表したトイレ修理の高額請求事例

各自治体の消費生活センターには、トイレ修理に関する高額請求の相談が数多く寄せられています。2023年8月には消費者庁も注意喚起を発表するなど、社会問題となっています。ここでは、実際に公表された被害事例を紹介します。
「格安広告」で呼んで追加作業を次々提案された
群馬県消費生活課が公表した事例では、インターネットで「料金390円から」と宣伝していた業者にトイレつまりの修理を依頼したところ、最終的に約55万円を請求されたケースがあります。
作業員は高圧ポンプで10分ほど作業した後、「便器を外して配管を確認する作業に3万円かかる」と提案。さらに「汚れが蓄積したひどいつまりなので、通管作業に20万円前後かかる」と不安を煽り、追加で「再発防止には特殊機材による清掃で15万円」と次々に作業を提案しました。
結果として30分程度の作業で約55万円の契約書を渡され、「現金払いなら50万円に値引く」と言われてATMから現金を引き出し支払ってしまったとのことです。
出典:群馬県消費生活課
見積もりなしで作業を進められた
同じく群馬県の事例では、突然トイレがつまり、以前ポストに入っていた業者のチラシを見て連絡したところ、業者はそのまま見積もりを出さずに作業を開始。終了後に請求書を見ると合計17万円で、内訳には「高圧洗浄機使用15万円」などと記載されていました。
「築3年の家でそんな大掛かりなつまりはおかしい」と抗議しましたが聞き入れられず、やむなく即金で支払いました。後日、水道局に相談したところ「高圧洗浄でも2~3万円程度ではないか」と言われ、不当な高額請求だったことが判明しています。
出典:群馬県消費生活課
「別契約だから」とクーリングオフを拒否された
埼玉県消費生活支援センターに寄せられた相談では、「詰まり修理220円から」と広告する業者に依頼したところ、計25万円を請求されたケースがあります。
作業員はまず高圧ポンプ作業(6千円)を実施しましたがトイレのつまりは直らず、便器取り外し洗浄(3万円)を行っても解消しませんでした。最後に「特殊車両が必要だ。今から会社に電話して手配してほしい」と持ちかけられ、指示通りに依頼すると作業後に計25万円を請求されました。
広告の金額とかけ離れているためクーリングオフを申し出たものの、業者は「改めて電話依頼された別契約なので対象外だ」と拒否。消費者自身に電話をかけさせることで「別契約」を主張する巧妙な手口です。
作業途中で「キャンセルできない」と迫られた
熊本市消費者センターが注意喚起した事例では、トイレ修理を依頼したところ、作業途中で「バキュームカー(大型吸引車)が必要だが、いったん手配するとキャンセルできない」と告げられたケースがあります。
当初の見積もりは3万円程度でしたが、「特殊車両手配で45万円になる」と言われ、その場では了承してしまいました。作業途中で断りにくい状況を作り、高額な追加費用を承諾させる手口です。
出典:熊本市消費者センター
高額請求する悪徳業者に共通する特徴

悪質な水道修理業者には、いくつかの共通した特徴があります。以下のポイントに該当する業者には十分注意してください。
広告の料金が不自然に安すぎる
「修理220円~」「基本料金390円~」など、他社と比べて極端に低い価格を掲げている業者は警戒が必要です。
こうした業者は、広告の料金には作業費が含まれていないことが多く、現場に来てから「基本料金に作業料は含まれていない」「特殊機材が必要になった」などと理由をつけて高額なオプション料金を上乗せしてきます。
質の高いサービスを極端な低価格で提供し続けることは現実的に不可能であり、どこかで帳尻を合わせる仕組みになっていると考えるべきです。
会社名や所在地がホームページに記載されていない
ホームページにサービス名やフリーダイヤルだけが掲載されており、運営会社の法人名や住所が明記されていない業者は信用してはいけません。
会社概要の情報がないと、施工に不備があっても連絡が取れなくなる恐れがあります。「全国に営業所がある」とうたいながら、実際にはその住所に営業所が存在しないケースも確認されています。
問い合わせの電話で法人名を尋ねてもはぐらかすような場合も、後ろめたい事情がある可能性が高いと判断できます。
見積もりを出さずにすぐ作業を始めようとする
現場到着後、見積書を作成せずにすぐ作業に取り掛かろうとする業者は危険です。「とりあえず直しますね」と言って作業を始め、後から不必要な作業まで含めた高額請求をされる恐れがあります。
信頼できる業者であれば、必ず事前に詳細な見積もりを提示し、依頼主の同意を得てから作業を開始します。見積もりの要求に応じない業者とは、その時点で取引を中止すべきです。
「今すぐやらないと大変なことになる」と不安を煽ってくる
こちらが修理知識に詳しくないと見るや、「このままでは大変なことになる」「今すぐやらないと被害が広がる」といった言葉で恐怖心を煽り、冷静な判断をさせないように急かすのも悪徳業者の常套手段です。
「普通の洗浄ではダメだった」「高圧洗浄でしか直せない」「追加作業しないとまたすぐつまる」などと言って不安を掻き立て、早く契約するよう仕向けてきます。このような威圧的な説明をする業者には注意が必要です。
作業員が名刺や社員証を見せない
まともな業者であれば、作業員は訪問時に必ず身分証明証や名刺を提示します。それを行わず、こちらから提示を求めても応じない業者は非常に危険です。
身分証の提示がない場合は家に上げないようにし、契約しないでください。優良業者は身分証明の提示はもちろん、スタッフの服装や言葉遣いにも配慮しています。乱れた身なりや横柄な態度の業者も避けた方がよいでしょう。
その場での現金払いを強く求めてくる
悪質業者は高額な現金をその場で引き出させて支払わせるケースが多く見られます。前述の事例でも、ATMで現金を引き出して支払わされたケースがありました。
「今払えば○万円値引きする」と現金払いを促すのも典型的な手口です。契約内容に納得がいかないうちは、その場で大金を支払うことは避けてください。
悪徳業者に騙されないための具体的な対策

高額請求の被害に遭わないためには、消費者自身が冷静に判断し、慎重に業者を選ぶことが重要です。以下の対策を実践することで、悪質業者による被害を防ぐことができます。
依頼前に「水道局指定工事店」かどうかを確認する
まずは候補の業者が各自治体の「指定給水装置工事事業者」または「指定排水設備工事事業者」に認定されているか調べましょう。
水道局指定工事店とは、一定の国家資格保有者と設備を備えた事業者であり、各自治体のサイトで業者リストが公開されています。指定業者だから100%安心とは言えないものの、無資格の自称業者よりは信頼性が高いといえます。
特に大がかりな給水管や排水管の工事は、指定業者でなければ施工できないため、依頼前に必ず確認することをおすすめします。
電話で会社名・料金体系・キャンセル条件を必ず聞く
初めて電話する際には、「出張費や見積り費用は無料か有料か」「作業しなくても費用が発生する条件はあるか」を尋ねておきましょう。
優良業者であれば「見積り無料・納得いただけなければキャンセル可」といった対応が一般的です。逆に「見積もりだけでも有料」「キャンセル時は○○料がかかる」などと言う場合は注意が必要です。
電話対応の段階で会社名をきちんと名乗らない場合や、不審な印象を受ける場合は、その時点で他社を検討した方がよいでしょう。
作業前に必ず書面で見積もりをもらい納得してからサインする
担当者が現場を確認したら、作業内容と費用を明記した見積書を紙で出してもらいます。その見積金額と内訳に同意できて初めてサインし、作業開始という流れにすることが重要です。
見積書の提示を渋ったり、「すぐやりますね」と書面なしに作業を急いだりする業者は危険です。「他も見てから決めます」と一度帰ってもらう決断も必要になります。
提示された見積書の内容が不明瞭な場合は、細かく質問し、必要に応じて書き直してもらうくらいの姿勢で臨みましょう。焦る状況でも妥協しないことが、被害を防ぐ最大のポイントです。
不安を煽られても即決せず「検討します」と伝える勇気を持つ
作業員から「便器を丸ごと交換すべき」「特殊な高額作業が必要」などと言われた場合は、その場で判断せずに一旦保留にして冷静に考える時間を取りましょう。
本当に必要な作業なのか、他の選択肢はないのか、後日別の専門業者にも意見を聞くなどして慎重に判断することが大切です。「ここで断ったら困るかも」という心理に負けないよう注意してください。
特に「○○しなければまたすぐ壊れる」など極端に不安を煽る説明には乗らないようにしましょう。
万一被害に遭ったら消費者ホットライン(188)に相談する
もし高額請求を支払ってしまった後でも、泣き寝入りする前にお住まいの自治体の消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。
訪問販売的な契約形態であれば、契約書面を受け取ってから8日以内ならクーリングオフ(無条件解約)ができる可能性があります。ウェブ広告を見て依頼した修理でも、自宅で高額契約させられた場合には特定商取引法の訪問購入に該当し、クーリングオフが適用された例もあります。
困ったときは一人で抱え込まず、早めに相談することで返金交渉の助言を受けられる場合があります。
島根県での水道トラブルは「しまね水道職人」へ
島根県内でトイレ詰まりや水漏れなどのトラブルが発生した際は、水道局指定工事店の「しまね水道職人」にご相談ください。
当社は24時間365日受付対応しており、年末年始やお盆でもサービスを提供しています。ご連絡をいただいてから最短30分~1時間ほどで現地へ訪問し、トラブルを迅速に解決いたします。
料金は作業前に詳細な見積もりをご提示し、お客様が納得された上で修理を開始いたします。支払い方法も、現金・クレジットカード・銀行振込・QRコード決済・コンビニ払いなど多様な選択肢をご用意しています。
専門の技術者が最新の技術で適切な修理を行いますので、島根県内広域で水まわりのお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
トイレ修理の高額請求トラブルは、「トイレが使えない」という緊急事態に付け込む悪質な手口によって引き起こされています。「数百円~」という格安広告に飛びつくと、数十万円の請求を受ける危険があります。悪徳業者の被害に遭わないために、次のポイントをおさえておきましょう。
- 依頼前に業者名・会社所在地・水道局指定工事店かどうかを確認する
- 電話で会社名・料金体系・キャンセル条件を必ず聞く
- 作業前に書面で見積もりをもらい、納得してからサインする
- 不安を煽られても即決せず「検討します」と伝える
- 被害に遭ったら消費者ホットライン(188)に相談する
ネット広告の格安料金を鵜呑みにせず、日頃から信頼できる業者を調べておくことで、緊急時にも冷静に対処できるようになります。
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