水のコラム
6月21日夏至は酒風呂の日!日本酒入浴の楽しみ方と注意点【水道職人:プロ】
夏至の日に特別な入浴を楽しんでみませんか?
2025年の夏至にあたる日は6月21日、この日は同時に「酒風呂の日」でもあります。
酒風呂の日は、長野県の酒蔵が制定した記念日で、春分・夏至・秋分・冬至の年4回設けられています。
「湯治」「冬至」「杜氏」という3つの「とうじ」の語呂合わせから生まれたこの記念日は、季節の節目に日本酒を入れたお風呂で心身をリフレッシュしようというユニークな提案から生まれました。
こうした酒をお風呂に入れて楽しむ文化は、実は昔から親しまれてきた入浴法のひとつなんです。
最近では温浴施設でも酒風呂を楽しめるところが増えており、根強いファンも多いとか。
この記事では、一年で最も日が長い夏至の日に楽しむ酒風呂について、楽しみ方から注意点までわかりやすくご紹介します。
自宅で手軽にできる特別な入浴体験を、ぜひ試してみてください。
夏至の酒風呂の日とは?
「酒風呂の日」は、長野県信濃町で銘酒「松尾」を製造する株式会社高橋助作酒造店の高橋邦芳氏が制定した記念日です。
日本記念日協会にも正式に認定・登録されています。
この記念日が生まれた背景には、3つの「とうじ」の関連性があります。
「湯治」(温泉療法)、二十四節気の「冬至」、そして日本酒造りの責任者である「杜氏」。
これらがすべて同じ読み方であることから、季節の節目に酒風呂で心身を整えようという発想が生まれました。
2025年の夏至は6月21日。
この日は一年で最も昼が長く、古来から特別な意味を持つ日とされてきました。
太陽からの日差しが最も強いこの日に、日本の伝統である日本酒とお風呂を組み合わせた酒風呂を楽しむというのも、なかんか趣のある過ごし方といえるのではないでしょうか。
夏至の酒風呂は、暑い季節を前にした体のメンテナンスという意味合いもあります。
これから本格的な夏を迎える前に、ゆっくりとお風呂に浸かって一日の疲れを癒し、気持ちを新たにする。
そんな時間を持つことの大切さを、この記念日は教えてくれているのかもしれませんね。
酒風呂の文化と楽しみ方
日本酒をお風呂に入れるという発想は、決して最近生まれたものではありません。
古くから日本で親しまれてきた入浴文化のひとつなんです。
日本酒入浴の歴史と背景
酒風呂の現代的な普及は、1984年に道家道学院初代学長の早島天來さんが「導引術」の一つとして紹介したことが始まりとされています。
導引術とは、呼吸に合わせて体を動かすことで体内の気の流れを活発にし、老廃物を体外に出すという健康法。
その後、テレビやラジオでも取り上げられるようになり、日本酒メーカーや温浴施設でも注目されるようになったそうです。
現在では、新潟県の「ぽんしゅ館」や石川県の「極楽湯」、兵庫県の城崎温泉など、全国各地で酒風呂を楽しめる施設があります。
日本酒には米から生まれるアミノ酸が豊富に含まれており、その量はワインの約10倍ともいわれています。
また、米麹には肌を整える作用があるとされ、酒蔵で働く職人さんの手がなめらかであることは昔からよく知られています。
酒風呂の特徴と魅力
酒風呂に入ると、多くの人が「体が温まりやすい」「リラックスできる」「肌がしっとりする」といった感想を持つようです。
これは日本酒内のアルコール成分による血行促進作用や、アミノ酸による保湿作用が関係していると考えられています。
また、日本酒の芳醇な香りにはリラックス効果があるともいわれており、まさに一日の疲れを癒すのにぴったりの入浴法といえるでしょう。
お酒には古来から「邪気を払う」という意味合いもあり、神事では「御神酒(おみき)」として使われています。
酒風呂には、体の汚れだけでなく心の疲れも洗い流すという、精神的な浄化の意味も込められているのかもしれませんね。
自宅での酒風呂の作り方
酒風呂は特別な道具も必要なく、自宅で手軽に楽しむことができます。
ただし、正しい方法で行うことが大切です。
日本酒の選び方と適量
酒風呂に使う日本酒は、高価なものである必要はありません。
スーパーなどでも買える、2級酒など手頃な価格のもので十分です。
開封して香りが飛んでしまったものや、燗をつけて冷めてしまったものでも問題ありません。
ただし、合成酒ではなく、米から作られた純米酒系を選ぶのがおすすめです。
一般的な家庭用浴槽(約200リットル)には、日本酒を1合から4合(180ml〜720ml)程度入れます。
初めての場合は1〜2合から始めて、お好みに応じて量を調整してください。
また、市販の酒風呂用入浴剤を利用するのも一つの方法です。
日本酒成分とヨモギエキス、重曹などを配合したものが販売されており、日本酒の匂いが苦手な方でも楽しめるように工夫されているためこちらもおすすめです。
夏至におすすめの入浴法
夏至の時期は気温が高いため、お湯の温度はいつもより少しぬるめの38〜40度程度に設定しましょう。
高温すぎると、アルコール分が蒸発しやすくなってしまいますし、のぼせる危険もあります。
入浴方法は通常のお風呂と何も変わりません。
まず湯船に日本酒を入れてよくかき混ぜ、その後ゆっくりと浸かりましょう。
体が温まったら一度湯船から出て体を洗い、再び湯船に浸かって十分に温まったら上がります。
酒風呂は家族で順番に入ることもできますが、日本酒の洗浄力により普通のお風呂よりお湯が汚れやすくなります。
また入浴後数時間すると、お湯が乳白色に変化することがありますが、これは正常な現象ですので安心して浸かってください。
一年で最も長い一日の締めくくりに、ぜひ特別な入浴でリラックスした時間を過ごしてみてください。
酒風呂の注意点と浴槽ケア
酒風呂を安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。
まず、アルコールに敏感な方は特に注意が必要です。
皮膚から少量のアルコールが吸収される可能性があるため、普段からお酒に弱い方、妊娠中・授乳中の方、小さなお子様は避けた方が安全でしょう。
アルコールパッチテストで赤くなるという方も慎重に判断してください。
皮膚病、喘息、リウマチ、糖尿病、高血圧、心臓疾患などの持病がある方は、事前にかかりつけ医に相談することをおすすめします。
入浴中に肌にかゆみや違和感を感じた場合は、すぐに湯船から上がってシャワーで洗い流してください。
無理をして長時間入浴する必要はありません。
酒風呂は毎日入るよりも、特別な日の特別な入浴法として、節目節目に楽しむ程度が良いでしょう。
また、浴槽のケアについては、酒風呂後はいつもより念入りに掃除することが大切です。
日本酒の成分が浴槽に残ると、雑菌繁殖の原因になることがあります。
使用後は浴槽をしっかりと洗い、十分に乾燥させてください。
特別な日の特別な入浴法である酒風呂。
今年の夏至には、ぜひこの贅沢な時間を体験してみてください。
関連記事
