水のコラム
ディスポーザーに流せる物と流せない物、利用時の注意点は?
近年、マンションで徐々に導入が多くなっている「ディスポーザー」は、生ゴミを粉砕して、かさを減らすことでゴミの量を減らし、捨てやすくする機械です。
環境に優しく、生活も快適にしてくれるディスポーザーですが、流せるものと流せないものがあることをご存じでしょうか。流せないものを無理やり流してしまうと、ディスポーザーの故障にもつながります。また、食べ物の中にも流せないものがあります。
しかし比較的新しいディスポーザーでは流せるものの範囲が広がっているので、従来とは違っていることがあります。ディスポーザーに流せるものと流せないものをしっかりと理解して、長く快適に使えるようにしましょう。
今回は、ディスポーザーに流せるものと流せないものについて詳しく解説します。
そもそもディスポーザーとは?
ディスポーザーとは生ゴミを粉砕して処理し、下水に流す機器・仕組みのことをいいます。キッチンシンクの排水口部分に設置でき、調理中にも簡単にゴミのコンパクト化が可能です。
ディスポーザーはアメリカ生まれ。主婦の声を受けて、1927年に発明されました。そのためアメリカでは食洗器と同様に普及しています。日本では普及率がまだ低いものの、タワーマンションを中心に徐々に広がりつつあり、今後はアメリカ同様に普及していくことが予想されます。
ディスポーザーは生ゴミを水と一緒に流すため、環境への影響が気になる人もいるでしょう。しかしディスポーザーは下水に粉砕した生ゴミを直接流すわけではなく、処理層で浄化してから流すため、悪い影響はありません。ゴミを燃やすためのエネルギーを考慮すると、かえって環境には優しいシステムといえます。
■ディスポーザーのメリット
ディスポーザーのメリットとして、まず挙げられるのが「生ゴミを溜めておかなくていい」ことです。
シンクに三角コーナーを置いて生ゴミをいったん入れているご家庭も多いかと思いますが、数時間置いておいただけで臭いが発生したり、虫がついたりすることがあります。「嫌だな」と思っていても、なかなかこまめに捨てるのも難しいですよね。
しかしディスポーザーを使用すれば、そうした悩みとは無縁となります。また、生ゴミは水分を含むため、ゴミを重くしてしまうという問題もあります。とくに高齢者にとって重たいゴミ捨ては負担となりやすいのですが、ディスポーザーに切り替えることでこうした負担を減らすことができます。
さらに、家庭ゴミに生ゴミが含まれなくなることで、ゴミ集積場所でカラスや虫などにゴミが荒らされることも少なくなるでしょう。このように、ディスポーザーはゴミに関係する負担を減らし、環境や地域の景観にもよい影響を与える機械なのです。
ディスポーザーに流せるもの
ディスポーザーに流してよいのは、肉や魚、野菜などの食材です。
貝殻や卵の殻、果実の種などは小さいものであれば問題ありません。大きくて流せない食材は、細かく刻んでから入れるようにしてください。
ディスポーザーに流せないもの
ディスポーザーは生ごみを粉砕してそのまま流せる便利な機械ですが、すべてのものを流してよいわけではありません。
ここで、ディスポーザーに流してよいもの、流してはいけないものを紹介します。
■熱湯
ディスポーザーにとって熱湯は天敵です。
熱湯をそのまま排水口に流してしまうと、ディスポーザー内部の変形や腐食を招いてしまいます。ディスポーザーを故障させる原因となってしまいますので、熱湯のほか、麺類のゆで汁やスープの残りなどは冷ましてから流しましょう。
また、ディスポーザーの先に続く排水管は塩化ビニール製で、耐熱温度は60℃となっています。60℃以上の熱湯を流すと、排水管が変形し、変形部分から破損することがあります。
さらに排水管の接続部分に使用されている接着剤も熱で溶けてしまうため、亀裂が発生したり、配管が外れてしまったりして水漏れの原因に。そもそもディスポーザーを使用していなくても、熱湯を流すのはNGといえます。
「まな板を熱湯消毒したい」といった場合には、大きめのボウルや洗面器などを使い、一度熱湯を受けてから水を加えながら流せば大丈夫です。
■塩素系洗剤
塩素系洗剤はディスポーザーの処理槽部分に悪い影響を与えるため、使用しないようにしましょう。
どうしても使用したい場合には、つけ置き時間をとらず、すぐに流すようにしてください。
■油・脂
ディスポーザーの有無にかかわらず、油は排水管が詰まってしまう原因となります。ディスポーザー内部だけでなく、配管にも悪い影響を与えるため流さないようしてください。
■繊維質の食材、固く大きい食材
イモ類やとうもろこしのヒゲなどの繊維質の多い食材は、繊維がディスポーザーの刃にからまり動作不良を起こすことがあるため、流さないようにしましょう。
また、牛や豚の骨、サザエ・ホタテの殻・カニの甲羅などもディスポーザーで粉砕できないことが多いため、流さずに別途捨てるようにしてください。
ディスポーザーを使用する際の注意点
最後に、ディスポーザーを安全・快適に使用するために注意したい点を確認しておきましょう。
■動作音が大きいと感じることがある
ディスポーザーの種類によっては、振動と音が気になることがあるかもしれません。
比較的新しいディスポーザーは音が静かなことが多いものの、深夜に使用すると思ったよりも音が響いてしまうことがあるので注意しましょう。
■利用に費用がかかる
ディスポーザーが備え付けとなっているマンションでも、ディスポーザーにかかる月々の水道料金、電気料金はかかってくることに注意してください。
とはいえ水道料金・電気料金は合わせて1,000円程度と考えて問題ありません。
まとめ
今回は、ディスポーザーに流せるものと流せないもの、ディスポーザーを使用する際の注意点についてお話ししました。
日本では、まだまだディスポーザーの普及率は高くありません。「使用している」という人も「マンションに備え付けられていた」ということが多く、自分から設置を検討したことのある人は少ないでしょう。
しかし使ってみると、キッチンに生ごみを放置せずに済む上、ゴミの量・重さを減らすことができるので非常に便利です。これからマンションへの入居を検討している人は、ディスポーザーの有無も条件の一つとして意識してみてください。
また戸建てにお住まいの人も、現在は戸建て用のディスポーザーも安価になっているので、これを機に設置を検討してみてはいかがでしょうか。