水のコラム
水道管の仕組みを徹底解説!家庭内の水の流れとトラブル予防
私たちの生活に欠かせない水道。蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくるのは、複雑な水道管のシステムが確立されているからにほかなりません。水道管の仕組みを知ることで、トラブル時の原因特定や予防が可能になります。本記事では水道管の仕組みからトラブル予防法まで解説します。
水道管の構造と役割
水道管は私たちの生活を支える重要なインフラです。家庭内のあらゆる水回りに水を届け、使用済みの水を排出する役割を担っています。
水が家庭に届くまで
水が蛇口から出るまでには長い旅をしています。ダムや河川から取水された水が導水管を通して最初に運ばれるのが浄水場です。
浄水場では薬品処理されて安全な飲料水となり、送水管を通って配水場へ送られます。そこから配水管を経由して各家庭の給水管へと配られる仕組みです。
使用済みの水は排水管を通って下水処理施設へと運ばれ、処理された後自然に還元されます。このサイクルにより私たちは清潔な水を利用できるのです。
浄水場では、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を使って細菌やウイルスを除去し、ポリ塩化アルミニウムを使って不純物を沈殿させます。この処理によって安全で美味しい水が作られているのです。
水道管の主な種類と特徴
水道管は用途によって主に4種類に分類されます。それぞれ役割と特徴が異なります。
導水管
水源から浄水場まで水を運ぶ太い管です。一般の方がイメージする水道管よりもはるかに大きく、時には開渠(かいきょ)や暗渠(あんきょ)と呼ばれる水路、あるいはトンネルを使って水を運ぶこともあります。
送水管
浄水場から配水場まで処理済みの水を送ります。浄水場で飲めるように処理された水を配水場(飲料水を貯めておく場所)まで運ぶ役割を担っています。
配水管
配水場から各地域へ水を送る管です。通常200mm以上の口径のものが使われ、道路に沿って網目状に配置されています。水圧を均等に保ち、管内の水が滞留しないようになっています。
給水管
配水管から分岐して各家庭に水を供給する管で、私たちの生活に最も身近な水道管です。道路から分岐した水道管から住宅内のすべての水道管を給水管と呼びます。経年劣化などにより水の出が悪くなることがありますが、排水管と比べてつまることは少ないです。
給水装置の仕組みと種類
給水装置とは配水管から分岐された給水管、元栓、給水栓、水道メーターなどの総称です。元栓から住宅側は使用者の所有物で、管理責任も使用者にあります。そのため、トラブルが起きた場合は、指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)に相談しなければいけません。
ただし、水道メーターが故障した場合は水道局に連絡すれば無料で交換してもらえます。
主な給水装置には以下の3種類があります。
直結式給水
自然の水圧で給水する仕組みで、水質が良く停電時も使用可能です。高層階には適しておらず、東京都では3階まで、秋田県では5階までと、自治体によって給水可能な階数が異なります。
増圧直結式給水
ポンプで水圧を上げる方式で、中高層階に対応できますが停電に弱いです。停電時には低層階の共有スペースで水を確保する必要があります。標準型、直列多段型、並列型の3種類があり、建物の規模や階数に合わせた選択が必要です。
受水槽式給水
1階の受水槽から各戸に給水する方式で、停電に強い反面水質が落ちやすいため定期メンテナンスが必要です。マンションなどの集合住宅でよく採用されますが、タンクのメンテナンス不足により水質が低下するリスクがあります。
家庭内の水道管システム
家庭内の水道管システムを理解することで、水回りのトラブルを未然に防ぎ、効率的に水を利用できます。
給水管と排水管の違い
給水管は清潔な水を家庭内に届ける役割を果たします。内部の水には圧力がかかっているため、蛇口をひねると勢いよく水が出てきます。水色の配管で表されることが多く、キッチンやお風呂、トイレなどのすべての水回りに新鮮な水を供給しています。
また、給湯器に贈られた水は温水を作り出す源です。給水管は比較的つまりにくいですが、経年劣化による錆びや亀裂が生じることがあります。
排水管は使用済みの水を下水管へと流す役割を担っており、給水管とは異なり内部に圧力がかかっておらず、重力に従って水が流れる仕組みです。このためつまりが発生すると解消されにくい特徴があります。
キッチンやお風呂、トイレなどからそれぞれ伸びた排水管が、最終的に一本の管となって下水道に接続しています。そのため、どこかの排水管でトラブルが発生すると、複数の水回りに影響が出ることも少なくありません。
元栓と止水栓の役割と場所
水道トラブル時に重要なのが元栓と止水栓です。これらは混同されがちですが、役割と場所が異なります。
元栓は住宅内のすべての給水を止めるレバーで、水道メーターボックス内にあります。一戸建ての場合は敷地内の地面に、マンションでは玄関ドア横の収納ボックス内にあることが多いです。水漏れなどの緊急時には、まず元栓を締めて給水を止める処置を行います。
どの元栓も時計回り(右回り)に回すと締まるのは同じですから、覚えておきましょう。元栓を閉めると家中の水が出なくなります。
止水栓はキッチンやトイレなど特定の場所の水をコントロールするものです。ハンドルタイプとマイナスタイプ(ドライバーで操作)があります。修理時には該当箇所だけを止水できるので便利です。
例えば、トイレの止水栓を閉めるとトイレは使えませんが、洗面所やお風呂は通常通り使えます。キッチンの水漏れを修理する際には、キッチンの止水栓だけを閉めることで、他の水回りを使いながら作業できます。
水道メーターの口径と選び方
水道メーターの口径は水の使用量と関係します。家庭用は主に13mm、20mm、25mmの3種類があり、現在は20mmが一般的です。自治体によっては13mmの新設を認めていないところもあります。
口径によって対応できる水栓数は異なり、13mmは1〜4個、20mmは5〜13個、25mmは14個以上です。水栓数には洗濯機や食洗機などの水を使用する電化製品、庭の水道蛇口なども含まれます。
一般家庭では少なくとも5ヶ所の設備を使用するため、もっとも適しているのは20mmです。ただし、たとえば2世帯住宅で各世帯が洗濯機・食洗機を使用し、庭やガレージにも水道蛇口があるといった複数の水栓を同時使用する可能性が高い場合は、25mmが必要になることもあります。
口径が大きいほど水道料金も高くなるため、適切なサイズを選ぶことが大切です。例えば、同じ水使用量でも口径13mmと20mmでは月々約1,000円の差が生じることもあります。
水道メーターは水道局の所有物で、故障時は無料で交換してもらえます。一方で、メーターから住宅側の配管は使用者の所有物のため、修理費は自己負担です。
水圧のメカニズム
水道システムにおいて水圧は重要な要素です。適切な水圧があるからこそ、高層階まで水を送ることができます。
水道管の太さと水圧の関係
水道管の太さ(口径)と水圧には密接な関係があり、同じ水量なら口径が細いほど水圧は高くなります。ホースの先を絞ると水が勢いよく出る原理と同じです。
住宅用の水道管口径は主に13mm、20mm、25mmの3種類で、口径が太いほど水量は増えますが水圧も必要になります。また口径が大きいほど水道料金が高くなるため、必要な水量と経済面を考慮して選ぶことが重要です。
水圧とは水を上に押し上げる力です。地面に配置された水道管が住宅内に入って、1階から2階、3階に給水されるためには十分な水圧が必要になります。水道管が太くなるほど水量が増えるため、それだけ大きな水圧が必要になるのです。
建物の高さと給水方式の選び方
建物の高さによって最適な給水方式が異なります。低層階(3階程度まで)では直結式給水が適しています。増圧装置や受水槽を使わないため、水がおいしく、設置コストも低くなります。
中高層階(4階以上)で多く採用されるのは、増圧直結式給水や受水槽式給水です。増圧直結式は受水槽を使わないため水質が良いですが、停電に弱いという欠点があります。標準型は15階建て・140戸程度まで対応可能で、それ以上の高層マンションでは直列多段型や並列型が使われます。
受水槽式は1階の受水槽から各戸に給水する方式で、停電に強いですが定期的なメンテナンスが必要です。屋上に水槽を設置する場合と、1階の受水槽から直接給水する場合があり、後者は電気代が高くなる傾向があります。
建物の特性や予算、水質の重視度などを考慮して、最適な給水方式を選んでください。
水圧トラブルの原因と対策
水圧トラブルの主な原因は、給水管のつまりや水道管の劣化・サビ、給水装置の不具合などです。また地域の水圧低下や使用時間帯(朝や夕方)による一時的な低下も考えられます。
給水管内部にサビや異物が溜まると、徐々に水の通り道が狭くなり、水圧が低下します。特に築年数の古い住宅では、鉄管の錆びにより水圧が低下しやすいです。
水道メーターをチェックし、異常があれば専門業者に相談することをおすすめします。素人判断での修理は避けましょう。水圧が低下している場合は、給水管の洗浄や交換が必要になることもあります。
また、急に水圧が下がった場合は、近隣工事による一時的な影響や、配管の破損による漏水の可能性もあるため、早めに対処することが重要です。
水道管トラブルの原因と予防法
水道管のトラブルは日常生活に大きな支障をきたします。水道管トラブルの予防法や対策を紹介します。
水回り別のつまり原因と予防法
キッチン
油汚れや食べ物のカスがつまりの主因です。油は冷えると固形化して排水管を狭くするため、調理器具は拭き取ってから洗いましょう。週に一度程度、40℃~50℃程度の温かいお湯でシンクを洗い流すと効果的です。
また、三角コーナーや排水口のゴミ受けは小さなカスも落とさないよう、こまめに清掃しましょう。台所用洗剤には油を分解する成分が含まれているため、適量を使って洗うことも大切です。
お風呂場
毛髪や石けんカスが主なつまりの原因です。抜け毛は適宜取り除き、定期的なパイプクリーナーでケアしましょう。アカや油分は排水パイプ内に雑菌を繁殖させ、ぬめりが生じた部分に毛髪や石けんカスが付着します。髪の毛は排水口に流さず、できるだけ拾って捨てる習慣をつけましょう。
トイレ
トイレットペーパー以外は流さないことが重要です。おむつや生理用品、ウェットティッシュなどは水に溶けないため、必ずゴミ箱に捨てましょう。排便後は洗浄水量「大」で流すと、水量不足による流れ残りを防げます。
水道管の凍結対策
寒冷地では水道管の凍結が問題となります。むき出しの水道管や日陰にある配管、風当たりが強い場所にある配管は特に注意が必要です。
予防には保温材や布を巻き、ビニールテープで固定する方法が効果的です。凍結した場合はぬるま湯で徐々に解凍します。熱湯をかけると急激な温度変化で水道管が破裂する恐れがあるため、決して熱湯は使わないでください。
不凍水栓の設置も検討しましょう。不凍水栓は水抜きハンドルを使って水栓内の水を除去することで凍結を防ぐ仕組みで、外部水栓に適しています。水抜き操作は以下の手順で行います。
- 蛇口が締まっていることを確認する
- 水抜きハンドルを「水抜」方向に回す
- 水道蛇口を開けて水抜きを行う
- 水抜きが終わったら水道蛇口を締める
水抜きハンドルは止まるまでしっかり回しましょう。途中で止めると地中で水が出続けている状態になります。
経年劣化とメンテナンスの重要性
水道管も使用年数とともに劣化します。鉄管は15〜20年、銅管は25〜30年、塩化ビニル管は30〜40年が寿命の目安です。
定期点検と早期対応が重要で、年に1回程度の専門業者による点検がおすすめです。マンションなどの集合住宅では、管理組合が行っている定期的なメンテナンスサービスを活用しましょう。
日常的には排水口の清掃や水の出具合のチェックを行います。水の色や臭い、出具合に異変を感じたら、早めに専門業者に相談しましょう。異常を早期発見できれば、大掛かりな修理を避けられます。
排水口のヌメリ取りや、蛇口のパッキン交換などは、自身で対応できる簡単なメンテナンスです。市販のグッズを使って簡単にできますが、配管内部の洗浄や修理は専門業者に依頼しましょう。
島根県のおすすめホームセンター
水道管のメンテナンスや修理に必要な材料は、ホームセンターで入手できます。島根県内には多くのホームセンターがありますが、中でも以下の店舗がおすすめです。
コーナン東出雲店
所在地:島根県松江市東出雲町錦新町8丁目1番4号
営業時間:8:00〜20:00
広い駐車場と豊富な品揃えが魅力。水回り用品も充実しており、DIY向けの材料や工具も多数取り扱っています。
スーパーホームセンターいない 松江田和山店
所在地:島根県松江市田和山町75
営業時間:7:30〜20:00
朝早くから営業しているため、作業前に材料を調達できます。園芸用品や電動工具も充実しており、水道関連の部品も豊富に取り揃えています。
ジュンテンドー 出雲南店
所在地:島根県出雲市塩冶町1197-1
営業時間:8:00〜19:30
水道部品やDIY用品が充実しており、専門スタッフのアドバイスも受けられます。幅広い商品取り扱いで、水道関連の修理材料も見つけやすいです。
島根県での水道のトラブルは「しまね水道職人」へ
水道管のトラブルには専門知識と適切な対応が必要です。島根県内での水道トラブルは「しまね水道職人」にお任せください。
「しまね水道職人」は松江市、大田市、出雲市など島根県広域をカバーし、トイレつまりや水漏れ、排水管つまりなどあらゆる水回りトラブルに対応している水道局指定工事店です。
24時間365日の受付体制を整え、緊急時でも最短30分〜1時間で現場に駆けつけます。年末年始やお盆でも変わらずサービスを提供しているため安心です。
料金体系は明確で、作業前に詳細な見積もりを提供します。現金、クレジットカード、銀行振込、QRコード決済、コンビニ支払いなど支払い方法が多様なため便利です。
水道トラブルでお困りの際は、自己判断での修理より「しまね水道職人」にご相談ください。プロの技術と経験で迅速かつ確実に問題を解決します。
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